○大槌町公益通報者保護条例

平成20年3月10日

条例第4号

(目的)

第1条 この条例は、公益通報が迅速かつ公正に取り扱われる仕組みについて必要な事項を定めるとともに、公益通報をしたことを理由とする不利益取扱いを禁止することにより、公益通報者を保護し、もって透明かつ公正な町政を実現することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 職員 地方公務員法(昭和25年法律第261号)第3条第2項に規定する一般職に属する職員及び同条第3項に規定する特別職に属する職員(町議会議員、町長、副町長、教育長、教育委員会委員、選挙管理委員会委員、農業委員会委員及び監査委員を除く。)をいう。

(2) 職員等 次に掲げる者をいう。

 職員

 大槌町(以下「町」という。)から事務又は事業を受託したもの(第5条に規定する公益通報処理契約の受託者を除く。以下「受託者」という。)及びその役員並びに当該受託業務に従事している者

 指定管理者 地方自治法(昭和22年法律第67号)第244条の2第3項に規定する指定管理者をいう。以下同じ。)及び役員並びにその管理する公の施設の当該管理の業務に従事している者

 からまでに掲げるものであった者

(3) 公益通報 職員等が知り得た行政運営上の違法又は不正な行為に関して行われる当該不正又は違法防止のための通報をいう。

(4) 公益通報者 公益通報をした職員等をいう。

一部改正〔平成27年条例3号〕

(公益通報)

第3条 職員等は、町の事務若しくは事業、受託者の当該受託業務又は指定管理者が管理する公の施設の当該管理の業務に関し、次の各号のいずれかに該当する事実があると思料するときは、第6条第1項に規定する公益通報者保護委員に対し、公益通報をすることができる。

(1) 法令等に違反し、又は違反することとなるおそれがある事実

(2) 人の生命、健康、財産その他の権利利益を害し、又はこれらに重大な影響を与えるおそれがある事実(前号に該当する事実を除く。)

(3) 前2号に掲げるもののほか、行政運営上の不当な事実

2 職員等は、原則として実名によって公益通報をしなければならない。ただし、前項各号に掲げる事実(以下「違反等の事実」という。)があることについて客観的に証明できる資料がある場合は、この限りでない。

(不利益取扱いの禁止)

第4条 公益通報者は、正当な公益通報をしたことを理由として、いかなる不利益取扱いも受けない。

2 正当な公益通報をしたことを理由として不利益取扱いを受けた公益通報者は、その旨を第6条第1項に規定する公益通報者保護委員に申し出ることができる。この場合において、当該公益通報者が当該公益通報を行った後に受けた不利益取扱いは、特段の理由がない限り、当該公益通報をしたことを理由としてなされたものと推定する。

(公益通報の処理に関する契約)

第5条 町長は、弁護士との間において、次条第1項に掲げる職務の執行を内容とする契約(以下「公益通報処理契約」という。)を締結するものとする。

2 第1項の規定にかかわらず、懲戒処分により弁護士の業務を停止された者で現にその処分を受けている者と公益通報処理契約を締結してはならない。

(公益通報者保護委員の職務)

第6条 公益通報処理契約を締結した者(以下「公益通報者保護委員」という。)は、次の職務に従事する。

(1) 公益通報及び不利益取扱いの申出の受付、調査及び報告に関すること。

(2) 第13条第5項の規定による措置に関すること。

(3) 公益通報をしようとする職員等からの当該事案に係る違法性の有無等に関する事前相談に関すること。

(4) 前3号に掲げるもののほか、町長が必要と認める業務

(公益通報者保護委員の責務)

第7条 公益通報者保護委員は、公益通報又は不利益取扱いの申出があったときは、誠実にその内容を聴取し、趣旨の確認に努めなければならない。

2 公益通報者保護委員は、この条例に基づく報告、公表等を行う場合を除き、職務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。公益通報者保護委員でなくなった後も、同様とする。

(特定の事件についての制限)

第8条 公益通報者保護委員は、自己若しくは父母、祖父母、配偶者、子、孫若しくは兄弟姉妹の一身上に関する事件又は自己若しくはこれらの者の従事する業務に直接の利害関係のある事件については、調査することができない。

(公益通報処理契約の解除)

第9条 町長は、公益通報者保護委員が弁護士でなくなったとき又は第5条第2項の規定に該当することとなったときは、公益通報処理契約を解除しなければならない。

2 町長は、公益通報者保護委員が心身の故障のため職務の遂行に堪えないと認めるとき、公益通報者保護委員に公益通報処理契約に係る義務に違反する事実があると認めるときその他公益通報者保護委員と公益通報処理契約を締結していることが著しく不適当であると認めるときは、公益通報処理契約を解除することができる。

(公益通報等の取扱い)

第10条 公益通報者保護委員は、公益通報又は不利益取扱いの申出が他人の正当な利益を害する不正の目的によるものと認められるときは、これを受け付けないことができる。

2 公益通報者保護委員は、公益通報又は不利益取扱いの申出を受け付けたときは、直ちにその概要を町長に報告しなければならない。

3 前項の規定による報告に当たっては、公益通報者又は不利益取扱いの申出をした者の氏名その他の本人を特定することができる事項は、報告しない。ただし、特に必要があると認める場合においてあらかじめ本人の同意を得たとき、又は本人から特に依頼があったときは、報告することができる。

(公益通報者保護委員の調査)

第11条 公益通報者保護委員は、前条第2項の規定による報告の後、速やかに当該公益通報又は不利益取扱いの申出について調査を開始しなければならない。

2 前項に規定する調査に当たっては、町又は職員等は、前項の調査に協力しなければならない。

(調査結果の報告等)

第12条 公益通報者保護委員は、調査の結果、違反等の事実又は不利益取扱いがあると認めるときは、その内容を明らかにする資料を添えて町長に報告しなければならない。

2 公益通報者保護委員は、調査の結果、違反等の事実若しくは不利益取扱いがないと認めるとき又は調査を尽くしても違反等の事実若しくは不利益取扱いの存否が明らかにならないときは、その旨を町長に報告しなければならない。

3 公益通報者保護委員は、公益通報者又は不利益取扱いの申出をした者に対し、調査の結果を報告しなければならない。ただし、匿名による場合又は本人が報告を希望しない場合は、この限りでない。

(改善等の措置)

第13条 町長は、前条第1項の規定による報告により違反等の事実があると認めるときは、その改善又は防止のため必要な措置を講じ、又は当該措置を講ずるよう勧告しなければならない。

2 町長は、前条第1項の規定による報告により公益通報者が不利益の取扱いを受けたと認めるときは、当該不利益取扱いの取消し、中止その他必要な措置を講じ、又は当該不利益取扱いを行った者に対して当該措置を講ずるよう勧告しなければならない。

3 町長は、前2項の規定により改善等の措置を行ったときは、当該措置に至る経緯及びその内容等について速やかに公表しなければならない。

4 町長は、第1項又は第2項の規定による勧告を受けた者が正当な理由なく当該勧告に従わないときは、その旨を公表することができる。

5 公益通報保護委員は、町長が第1項第2項及び前項の規定による措置をとらないときは、公表その他の是正のために必要な措置を講ずることができる。

(職員等の責務)

第14条 職員等は、公益通報をするに当たっては、客観的な資料に基づき誠実に行うよう努めなければならない。

2 公益通報者保護委員の調査に協力した職員等は、調査により知り得た秘密を漏らしてはならない。

(運用状況の公表)

第15条 町長は、毎年度、この条例の運用状況について、公表するものとする。

(運用上の配慮)

第16条 この条例の運用に当たっては、関係者の人権が不当に侵害されないよう配慮されなければならない。

(委任)

第17条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

この条例は、平成20年4月1日から施行する。

(平成27年3月20日条例第3号)

(施行期日)

1 この条例は、平成27年4月1日から施行する。

(経過措置)

2 この条例の施行の際現に地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律(平成26年法律第76号)附則第2条第1項の規定により教育長がなお従前の例により在職する場合においては、この条例による改正前の大槌町議会委員会条例第19条の規定、大槌町総合開発審議会条例第3条の規定、大槌町公益通報者保護条例第2条の規定、大槌町特別職報酬等審議会条例第2条の規定、町長及び副町長の給与に関する条例第1条及び第2条の規定並びに特別職の職員の旅費及び費用弁償に関する条例第2条の規定は、なおその効力を有する。

大槌町公益通報者保護条例

平成20年3月10日 条例第4号

(平成27年4月1日施行)