「大槌保育園」に保育士として日々奮闘している小國美鈴(みすず)先生、橋本彩(あや)先生、六串穂野香(ほのか)先生。3人とも保育士2年目の新人で、「壁にぶつかる毎日ですが、先輩に助けられながら乗り越えてきました」と感謝。子供たちとの毎日について「いつも新しい発見があります」と目を輝かせます。
みすず先生は、保育士を目指したのは「震災があったから」と打ち明けます。震災時は高校3年生で、卒業を間近に控えた時期。家で、親戚の子どもたちと遊ぶことが増えるうちに「保育士になろう」という気持ちが生まれました。復興に向けたまちづくりが進められる大槌について「今、実際に働いているのは大人かもしれませんが、これからを担っていくのは『地元の子供たち』」と思いを込め、「だからこそ、地元の子どもたちの成長を支えていける大槌保育園を選びました」と笑顔を見せます。
「高校に入る前から保育士になりたいと思っていました」と話すのは、ほのか先生。もともと子ども
の成長を見たり、一緒に過ごすことが好きで、めいが生まれたことでさらに子どもが好きになりました。学生時代から「故郷大槌で保育士として勤めたい」という明確な目標を持ち、勉強に励みました。
みすず先生と同じく「これからの大槌町を担っていくのは、地元の子どもたちだと思います」と話し、「大槌で子どもたちを見守っていきたくて、大槌保育園に決めました」と迷いはありません。
釜石市出身ですが、大槌町のおさなご幼稚園に通っていたあや先生は「幼稚園のころのクラス担当の先生に憧れて、保育士を目指しました」とほほ笑みます。その先生がとても優しくて、ずっと「いつか先生のような保育士になりたい」と思っていたそうです。高校卒業後に進学した短大で知り合ったみすず先生の「地元大槌町で保育士として働きたい」という熱い思いに共感し、大槌保育園を志望されたそうです。
「子供たちの成長を感じられるから、頑張れる」
保育園の行事は運動会、お遊戯会、夕涼み会といろいろあるんですが、その行事をやり遂げた時に、それまでの準備や練習を振り返って「自分も頑張ったな」って思います。子どもたちもたくさん練習をして、本番では家族の前で一生懸命その成果を披露します。その姿に、また一回り大きくなったことを感じられるのが一番のやりがいです。
「一緒に考え、作っていけることが面白い」
次の運動会に向けて、もう準備を始めてるんです。私は今、年中さん(4歳児)のクラスを担当しているんですが、おしゃべりができる年齢になると、子どもたちもしっかり意見を持っています。子どもたちと相談しながら準備を進めるのは、とても面白いんです。子どもたちの話には、大人が気づかないこともあってとても勉強になりますし、「はっ」と考えさせられることも多いんですよ。
「子どもの去年と今年を比べて、できることが増えているのがうれしい」
今年は一番人数の多いクラスを担当していて、毎日が目まぐるしく過ぎていきます。人数が多い分、行事の準備もほかのクラスより時間がかかることもあり大変ですが、子どもが頑張って練習して、その成果を立派に披露しているのを見ると、成長が実感できてうれしいです。去年と今年の姿を比べて、「こんなこともできるようになったんだ」ということがたくさんあって、毎日がとても楽しいんです。
「まだまだ分からないことが多いんです」と声を合わせる3人。でも、いつも子どもたちに寄り添い、行事の準備や、日常の時間を楽しく過ごしていける保育士を目指して毎日頑張っています。
小國 美鈴(おぐに みすず)先生
大槌町安渡出身。高校、短大を経て地元大槌に戻り、保育士として大槌保育園に勤務。現在、年中クラスを担当。趣味は、カラオケ、友達と遊びに行くこと。
橋本 彩(はしもと あや)先生
釜石市出身。釜石商業高校から短大に進学。卒業後、大槌保育園に保育士として勤務。現在、年少クラスを担当。趣味は、カラオケ、友達と遊びに行くこと。
六串 穂野香(むくし ほのか)先生
大槌町小鎚出身。高校卒業後、専門学校に進学。卒業後は大槌保育園に保育士として勤務。現在、未満児クラスを担当。趣味は、友達と遊びに行くこと。