大槌町復興推進隊持田専用ブログ
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【第12回】「イングレスとポケモンGOtsuchi」
みなさん、こんばんは!
大槌町復興推進隊の持田(もちだ)です。
12回にわたって書いてきたブログも最終回になりました!
この前、年を越したと思ったらもう年度末…まさに光陰矢の如しです。
今回は、これまでの大槌町のイングレス活用を踏まえて、今後のポケモンGOをはじめとしたゲーミフィケーションについて考えてみたいと思います。
昨年11月、宮城県知事が率先して開催したポケモンGOのイベントが石巻市でありました。
このイベントには3000万円の予算が計上され、11日間の期間中に計10万人が訪れ、およそ20億円の経済効果があったとされています。
わたくしもイベントに参加しましたが街中に人が溢れ、まさにゲーミフィケーションのチカラを目の当たりにした日になりました。
ただ、この効果は宮城県第2の都市である石巻市だからこそ有効であったと思います。
今の大槌町で同じことが起こったら…
アベノミクスでトリクルダウン理論というのがよく取り上げられました。
ウィキペディアによると
「トリクルダウン理論(トリクルダウンりろん、英: trickle-down effect)とは、「富める者が富めば、貧しい者にも自然に富が滴り落ちる(トリクルダウンする)」とする経済理論または経済思想である。」
とのこと。よく、パーティー会場のシャンパンタワーに例えられますが、大槌町が一番上のシャンパングラスだとして、宿泊や食事をすることも簡単ではない今の大槌町では経済効果を受けきれず、ほとんどが滴り落ちることになると思います。
その結果、せっかく来た観光客も満足なサービスを受けられず、次につながらないかもしれません。
今の大槌町にはゆるやかで継続的な交流人口の増加が一番ふさわしく、大槌町に合ったポケモンGOの活用「ポケモンGOtsuchi(仮)」があるはずです。
また、ゲーミフィケーションはひとつの方法論でありただのツールです。
いろいろなカタチを組み合わせて一番マッチした「しくみづくり」を継続的に模索すること…これが大事だと思います。
最後に、いい評判ばかりではないポケモンGOですが、使う人の心がけ次第だと思います。
ポケモンGOはあくまでもツールであり、包丁や自動車と一緒で使い方によっては危険なものになります。
交通ルールが長年かけて現在に至っているように、地道に使い方を模索していく…その教本になるのがポケモンGOのお兄さん的存在であるイングレスだと思っています。
ゲーミフィケーションの正しい使い方を導いていくのが、イングレスエージェントに課せられたこれからのミッションなのかもしれません。
【第11回】「イングレスイベント③イングレスツアー」
みなさん、こんにちは!
大槌町復興推進隊の持田(もちだ)です。
週末は春分の日もあり3連休ですね。
そろそろ行楽シーズンも近づいてきました。
さて、みなさんはどのようなきっかけで旅に出たいと思いますか?
きれいな景色をみたい…おいしい料理を食べたい…など様々だとは思いますが、旅に出るきっかけがゲーム…という人も中にはいます。
イングレスエージェントがその代表的な例でしょう。
エージェントは目的さえあれば山頂にあるたったひとつのポータルのために数時間かけて実際に登山します。
エージェントに登山した理由を聞いたら「そこにポータルがあるから」と答えるかもしれません(笑)
エージェントの中にあるイングレスの世界観を刺激する工夫をし、目的を与えれば活動の原動力となります。
大槌町のイングレスツアーでは町外の参加者十数人が見込め、県外から訪れるエージェントもいます。
ツアーでは、
●大槌町は交通インフラが弱いので、町内外をめぐるツアーバスを用意する。
●大槌城主であった大槌孫八郎をイメージした武者姿で大槌町内をアテンドし、未だポータルになっていない名所旧跡を参加者にポータル申請してもらう。
●大槌町内が一望できる城山で復興状況説明。
●作成したツアー専用スタンプラリーミッションを電動アシスト自転車でめぐることによって「昔ながらの大槌町」「震災の傷跡が残る大槌町」「あたらしいまち大槌町」を間近に感じてもらう。
●大槌町の名物とイングレスの世界観が融合した昼食。
など、イベントを開催すればエージェントが集まる都市部とは違う工夫をしました。
明確な観光資源の乏しい大槌町において、大きなインフラの整備や観光地化をしなくても、来るきっかけや目的がイングレスによって創出された結果だと思います。
次回はこれらを踏まえ、これからの大槌町でのゲーミフィケーション活用について書きます。(つづく)
【第10回】「イングレスイベント②アノマリー」
みなさん、こんにちは!
大槌町復興推進隊の持田(もちだ)です。
突然ですがみなさんは超常現象を信じますか?
超常現象というと超能力やUFOなどをイメージする人も多いと思いますが、イングレスの世界では年に数回、世界的超常現象が起こります。
それが「アノマリー」イベントです。
ウィキペディアによると
「アノマリー(英語:Anomaly)とは、ある法則・理論からみて異常、または説明できない事象や個体等を指す。科学的常識、原則からは説明できない逸脱、偏差を起こした現象を含む。」
とのこと。
「超常現象って大げさな…」と思われる方もいるかもしれません。
しかし、イングレスエージェントにとってはそれくらい大事なことなのです。
まず、イングレスには大きく分けて3つの種類のイベントがあります。
1つ目が、前回ご紹介した「ファーストサタデー」。
初心者講習も兼ねた交流会のため和やかで、イベントの規模は比較的大きくはありません。
2つ目が「ミッションデー」。以前ご紹介したイングレスのミッション機能を活用し、エージェントが開催地域をめぐりながらミッションを達成していきます。
これは中規模のイベントで数百人が参加します。
3つ目が世界最大イベント「アノマリー」。
世界中からエージェントが数千人規模で集結します。
昨年、東京で開催された「アノマリー」は一万人以上が参加しました。
「アノマリー」は緑と青の両陣営が制限時間内に、どれだけ指定されたポータルを確保できたかなどを競い勝敗が決まります。
結果によりイングレスの今後展開される世界観に大きな影響を与えるため、自陣営が有利になるようエージェントは全力で活動します。
この日ばかりはイヤホンマイクで通信する、本当の意味でのエージェントが街中に溢れます。
作戦が漏れないようにレストランを貸し切って会議をするのはもちろん、茂みの中に隠れる伏兵を配置したり、簡単には行けない離島から戦況を変える作戦をしようとするエージェントもいます。
勝敗が決するとあとはお祭りになります。
お祭りの企画のひとつには「頒布会」とよばれるコミックマーケットのような催しもあり、エージェントが自ら制作したイングレス関連グッズを展示したブースを出展し、交換したりします。
昨年、東京で開催された「アノマリー」では、岩手・宮城のエージェントと共同して出展し、いわて国体や大槌町も一緒にPRしました。
「今でも仮設団地に住んでいるおばちゃんに手仕事を」との思いもあり制作したグッズでイングレスのアイテムをイメージした「仮設団地のおばちゃんの手仕事ポータル木ーホルダー」は現在までに120個以上を制作しており、エージェントにも好評です。
このように、イングレスはただスマホを操作するだけのゲームではなく、世界観を味わうゲームなのです。
次回は、エージェントがイングレスと共に旅をする
「イングレスイベント③イングレスツアー」です。(つづく)